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いまだに学校でド根性教育が礼賛されていることについて

こないだたまたまテレビをつけていたら、沖縄県内の某学校で「クラス全員が約170日間連続で給食を残さずに食べた」という話がニュースとして流れていた。

で、この取り組みを推進した女性教師が表彰されてもいた。

こういう話が一見美談になってしまうのがこの国の怖いところだ。人間なんてひとりひとり、体質も、日々の体調も、違って当たり前。たまたまこのクラスには超健康優良児だけが揃ってた、ってだけのことである。

だが、本当に超健康優良児ばかり揃っていただのだろうか。実は、この教師が意図したか意図していないかに関わらず、こどもたちに対する同調圧力が発生していたのではないか。中には「牛乳を飲むと必ずお腹を壊すけど、無理してでもみんなに合わせないといけない」というようなこどももいたのではないか。

しかし、クラス全員で取り組んでいる運動の中で、自分ひとりだけがそこから外れる、というのは相当な勇気、強い意志がなければできることではない。

こうして、慎重に空気を読み、自分の素直な気持ちを押し殺し、まわりに合わせることを最優先させる、人間の格好をしたロボットが作られてゆく。

この教師は何のためにこの取り組みを進めたのか、目的を聞いてみたい。そしてこの取り組みが生徒たちにどうプラスに作用したと感じているのか。そのあたりも聞いてみたい。

そしてもうひとつ。このクラスの生徒の親たちは誰も反対しなかったのだろうか。反対しなかったとしたら、親も同調圧力に負けたとか? そもそも疑問に感じなかった?

いろいろ気になるニュースだった。

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