« Photo : Gig at New Year's Eve | メイン | 今年はスマートフォン元年になる »

2010年01月09日

21世紀を生きるミュージシャンに必要なもの

1990年代に始まったインターネット。その後の爆発的な普及により、ミュージシャン(アーティスト)が録音・発表した楽曲が簡単にネット上で流通するようになりました。また、その中には違法なものも多く、また、合法であっても利幅が非常に少ないため、アーティスト側からは「これでは生活できない」という声も多々あがっています。

私はITに関係する仕事もしているのですが、上記の流れを止めることはもはや誰にもできないでしょう。止めるどころか、今後さらに広がっていくことは間違いない。今は音楽業界でその状況が起こっていますが、今年からは出版界でも同様の動きが急速に進んでいくはずです。

で、我々ミュージシャンはどう対処していくべきか。

個人的には「ライブ回帰」、つまり、極端な話でいうと、店頭やネットでの楽曲販売は一切やらず(そもそもアルバム販売自体をやめる)、お客さんに楽曲を聴いてもらうのはライブの場のみ、にするのがいいのではと考えています。
そうすれば

・自分(ミュージシャン)が精魂込めてレコーディングした楽曲がチープにネット上に出回ることがなくなる。
・リスナーは生の音楽に触れる機会が増え、自然に耳も肥えてくる。
・ミュージシャンも生演奏で勝負するしかないので、腕を磨かざるを得ず、結果としてお客さんはどんどん良い演奏を聴けるようになる。
・つまり、腕があるミュージシャンにちゃんと仕事がまわってくる。
・ミュージシャンとお客さんとの生の接点ができる。
・生演奏のみの世界であれば、ミュージシャンはカンタンに世界をマーケットにすることができる(CDの流通のしがらみを気にする必要がまったくなくなるし、そもそも言葉が通じなくても音なら通じる、など)。
・ライブハウスやコンサート、楽器業界が活性化する。

などなど、いいことだらけだと思っています。

ただ、上記のようなことをいう人があまりいないなぁと思っていたんですが、佐々木俊尚さんのサイトでこういう記事を見つけました。

-----
著名ミュージシャンのマドンナは、その戦略で一歩先を行っている。彼女は昨年、長年つきあってきたメジャーレーベルのワーナーミュージックとの契約を終了させ、ライブコンサートを手がけているイベント会社と再契約したのだ。これはアンビエント化して収益力の低下した音楽空間で収益化するのではなく、ミュージシャンとファンがリアル空間の中で出会うコンサートという場に収益の中心を移していこうという動きである。ライブの入場料や写真集、Tシャツなどのグッズ類など、ネットワーク化された環境としての音楽ではなく、リアルな場としての音楽こそが収益の源泉となってきているのだ。
http://pressa.jugem.jp/?eid=167
-----

なんとマドンナがすでにその戦略に切り替えてたと。

ということで、21世紀の音楽業界は恐らくこの方向で進むと思います。。ので、ミュージシャンの皆さん、いつこの状況で勝負できるように日々研鑽に励みましょう。

投稿者 punkbass : 2010年01月09日 07:09