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- 音楽について -

楽器を始めて30年くらい経ちました。ということで、音楽について思うことはいろいろあります。
このページでは、私の音楽感のようなものを書きつづってみたいと考えています。

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私の音楽的素養について自己分析

いきなりですが、いろいろ語る前に、私が持っている音楽的な素養について自己分析してみたいと思います。そうすることで、今後書きつづってゆく諸々の文章についても、「ああ、こんな人だからこんなふうにしか考えられないんだ」とご理解(同情)もしていただけるのではないかと考えた次第です。

まず初めに、音楽家には、

  1. 演奏を得意とするタイプ。ただし作曲はあまり得意ではない。
  2. 作曲を得意とするタイプ。ただし演奏はあまり得意ではない。
  3. 演奏でも作曲でも何でも来い!のタイプ

の3パターンがあるかなと思っているのですが、私の場合は、どう考えても1.にしかなり得ないと思っています。作曲、苦手なんですよね・・・。無理すれば何とか作れるのかもしれませんが、メロディーがどうにも出てこない。あ、あと、コードアレンジも下手ですね。やっぱり、これまでほとんどベースという楽器しか触ってこなかったからでしょうか。美しい、またはセンスのあるコード進行を聴いて、それを感じ取ることはできると自負しているのですが、自分で作るとなるとまるでだめですね。これはやはり、鍵盤楽器やギターといったコード楽器をちゃんと触っていないことがあると思います。逆に、もともとドラマー志望だったこともあり、ドラムも含めたリズムトラックのアレンジなどは割に楽にできはしますが。

作曲するのが好きな人って、ホントにバンバン曲作りますからね〜。私の友人でいうと、ザ・リッツの狩俣君とか。彼は本当に、クオリティの高いメロディーの曲を量産できるタイプだと思います。ああいう人を見ていると、私が作曲っていうのも、どうも無理があるよなぁ〜、と。それから、演奏/作曲、どちらもOKというタイプ。こちらは、私の友人でいえば「トリニティ」の田中美雪さんですね。彼女はスゴイ。演奏力はいうまでもなく(バリバリの4ビートジャズからポップスまで何でも)、作曲家としてもいろんなCMの曲を作っていますし(もちろんアレンジ力もスゴイ)、さらに実はヴォーカルトレーナーとしての顔も持ち合わせていて、沖縄県内の著名なヴォーカリストのトレーニングもやっているという、まさに「音楽と名の付くもの、何でも来い」タイプです。

ということで、私は演奏メインの音楽家であるとして、では次に、肝心の演奏力はどうなのか、ということですが、う〜む。もともとスタジオミュージシャンに憧れていたので、二十歳の頃はいろんな音楽を片っ端からコピーしまくりました。はじめはフュージョンが好きでベースを始めたのですが、日本のポップス、例えば尾崎亜美とかEPOとかも大好きなのでこちらもレコードを借りてきては「このベースは高水健司か」とか言いながら結構いろんな人をコピーしました。なので耳コピはまあまあ得意かもしれません。

あと、スタジオミュージシャン志望ということで、リズムのトレーニングもがんばってみたりしました。例えば、メトロノームの音を8分のウラでとるのはもちろんのこと、3連符の真ん中で取ったり、16分の一番後ろでとったりとか。出かけるときには必ず、イヤホンで聴けるメトロノームを持ち歩いてこんなことをやっていました。

ただ、では私はテクニック派なのか?と言われると、全然そうじゃないと断言できます。だいいち、指を早く動かせない。みんなが弾いてるジャコ・パストリアスのDona Leeとか、どうがんばってもあのスピードでは弾けませんもん(ゆっくりだったら弾ける。当たり前か)。努力不足なのかなぁ・・・ただ、ベースでこういう速いパッセージを弾きこなせるかどうかというのは、身体的なものとか、性格とか、いろんな要素があると思うんですよね・・・。また、「速く弾きたい」という欲求も実はあまりなかったりします。

じゃあおまえはなんなんだ、という感じですが、演奏する時には下の2つのことを忘れないようにしてプレイしています。

  1. 音楽とはエネルギーのかたまりである。
  2. その時、その瞬間の空気を大事にして、瞬発力で応えること。

1.については、つまり「気持ちのこもっていない演奏はしないこと」という極めてシンプルな話につながるでしょうか。2.については「演奏とは元来、人と人との楽器を介したコミュニケーションである」という原点にいつも立ち返りたい、ということなのかな。

こんな考え方の持ち主なので、ふだんは楽器に触らず、その反動で充電されるエネルギーをライブで一気に爆発させたりすると、より音楽的な演奏ができるんじゃないかな、などと考えていたりします。

即興演奏は、性に合っているといいますか、大好きです。また、それこそ岡本太郎氏ではないですが、「芸術は爆発」だと思いますので。爆発に必要なのはエネルギー、情熱だけ。そんな音が好きです。

補足:200/8/30
上の文章の中で「作曲は苦手」と書きましたが、その後、10行というバンドをやる中で、私のオリジナルを5〜6曲は制作しており、うち3曲くらいはいつもライブで演奏しています。ということは、別段作曲が苦手、というわけではないのかもしれません。

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私の中で、音楽とは何か

ズバリ、私の中において音楽とは何を指すのか、ということですが、ハッキリ、一言で云えば「純粋な芸術活動」です。それ以外のナニモノでもありませんです。音楽はアート。日本でもふつうの歌手のことをアーティストと呼んだりするでしょう? 本来、音楽とはピュアな芸術行為なんです。

で、一方、自分がライブをやる場合に関してはまた少し考え方が違います。お客さんとしては、お金を払ってご足労頂いて見に来てくれているわけですので、それなりに楽しい思いをして帰って頂かなくては、との基本姿勢はありまして。なので、ライブの場合は「音楽=エンターテイメント」ですね。音のクオリティは2番目でもいいと思います(もちろん、聴いて最高、観て最高というのがベストではありますが。そういうライブも結構ありますよね)。

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著作権について

このところ、インターネットの普及で違法に楽曲を入手することがとても簡単に行えるようになりました。で、一般的には上記のような行為はケシカランということになっています。当然でしょう。知的財産である楽曲は「著作権」によって守られているのですから。

しかし、昨今のテクノロジーの進化を考えると、このような違法行為を取り締まるのにはどうがんばっても限界があります。ならば、プロミュージシャンはどうすればよいのか。音楽家本来の「演奏」に戻る、というのはどうでしょうか。演奏回帰。

例えば将来、アルバムを出しても不法コピーばかりでいっこうに儲からない、こんな日が来るかもしれません。ならば、アルバムを出すのはやめて、ライブ演奏を唯一の表現活動としてみてはどうでしょうか。で、世界中を演奏してまわる。聴く側としても、自分の町にいながら世界中のミュージシャンがライブをしに来てくれれば、こんなに楽しいことはないですよね。

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楽器について

楽器、とりあえず私の場合はベースですが、実は結構、無とんちゃくです。今メインで使っているのはヤマハのBBですが、ネックはぶっといし、肩からかけるとバランスがあんまりよくなくてローポジションが遠くなっちゃうし、正直メチャクチャ弾きにくい。ですが、そこまでしてなんでBBを弾いているかというと、この「弾きにくさ」が故に自分なりの味が出ていそうな気がするからです。ジャズベースって確かにとても弾きやすいんですが、どうも弾き易すぎて、逆に弾くときに魂がこもらないというか。弾きにくい楽器だと、その分いつも楽器と格闘しながら弾いている感じで、じゃじゃ馬ならしみたいに、良くも悪くも楽器ともつれあいながら演奏してるんですよね。で、実はそのへんが自分のプレイの味につながっているような気がして。その結果ジャズベースではなくてBBになっているわけです...って、何言っているかよく分かりませんね。

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私の目指す音楽(2004/8/29)

この1年以上、自宅でなんとなく音楽をかけたり、車の中でBGM的に音楽を鳴らしたり、暇なときになんとなく楽器を触ったり、ということはなるべくしないようにしてきました。なぜかというと、プレイヤーとして「なんとなく音楽に触れる」というのはあまりいいことではないかな、と考えていたからです。音楽に接する、音楽と対峙するには集中力が要ります...と考えると、何かをしながら音楽を聴くという中途半端な行為はプレイヤーとして良いことではないだろう、と。

が、一方で、客観的にみると音楽には人の気持ちに働きかけるという特異な働きがありますよね。特に疲れているときにリラックスさせてくれたり、逆に気分を高揚させてくれたりというのはあるなぁ、と、きのう仕事をしながらインターネットラジオを聴いていて思いました。その時に私が聴いていたのは「SmoothJazz」というあまりに無難なジャンルですが、それを聴きながらリズムに合わせて首を振り気持ちよく仕事をしている自分がいることを発見してしまった次第。一般的にはこういう音楽の聴き方はきわめて普通のことなんだなと、いまさらながら思いました。

しかしそれでも、表現者として私が目指すものは、心地よい音楽、ではありません。それは、「芸術は爆発」。このひとことに集約されてゆくものです。

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