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英語を勉強する意味

日本国民の英語力の低さは事実として誰もが認めるところだが、とある友人が「これは政府がわざとやっていること、という話がある」と言っていた。つまり、日本国民だれもが英語を自在に操れるようになり、各々が海外の英語による大量の情報に自在にアクセスし、各々が海外と自由自在に繋がることができるようになったりすると、政府にとっては扱いにくい国民が大量に増えることになるので、そうならないようにわざと英語力がつかないようにしている、と。

まぁいくらなんでもそこまでするかな、という気もしなくもない。が、考えてみれば、聞き分けの良いロボットの大量生産を目的としている戦後日本の教育方針に立ち返ってみると、充分あり得るな、と感じた次第。

自分と英語との関わりを振り返ってみると、中学、高校の6年間、マトモな英語教師はほぼおらず、ほぼ全員カタカナ英語しか喋れない「机上の」英語教師だった。学校に外国人が来たときに、話せないからと逃げ出した英語教師もいた。なんなんだよ。。ただとてもラッキーだったのが、初めて英語を習った中学一年生のときの英語教師がとてもきれいな英語を話す人だったこと。若い女性の教師だったが、いまから考えると間違いなく留学もしていたと思う。こちらが適当なカタカナ英語の発音をすると怒られた。すばらしい。。まぁでも、いま思えばあんな田舎にあれだけちゃんとした英語教師がいたことが逆に奇跡だったのかもしれない。

そのあと、20歳のときに初めての海外でアメリカに1ヶ月ひとり旅。あのとき、実質的には”I want xxxxx”のワンセンテンスしか話せない状況での渡米。でも、旅の終わり頃には英語で夢を見ていた。という自分自身の体験から、人間は環境でいくらでも変われるなと実感。

その後、某オーディオ/楽器メーカーに就職して無理やり海外営業部に入れさせてもらったんだけど、そのときも別に英語を専門的に学んできたわけでもなんでもなかったので最初は失敗しまくり。だけどだんだん慣れてきて、結果いわゆるビジネス英語の基礎をそこで身に付けることができて、その知識はいまに至るまでずっと役立っている。特にちゃんとした文章でのやりとりが必要なときに、当時学んだ知識が生きている感じ。そのメーカーにいたのは23歳〜25歳の2年。

その後、43歳〜45歳くらいのときにアメリカに合計1年間住んだ。その時点でもまだ喋るのと聞くのは苦手だったけど、6ヶ月経った頃にようやく相手がペラペラと喋る英語が「ただの音」ではなく、一語一語、単語としてはっきりと認識できるようになった。これは自分の中では大きな変化。で、またしても住んでるうちに英語で夢を見るようになった。あとおもしろかったのが、英語圏に住んでいると、自然と英語の情報にしかアクセスしなくなる。つまり、日本語のサイトを見ることが減り、英語のサイトばかりを見るようになった。理由はよく分からないけどそれが自然な感じだった。ただ、まわりに日本人が多かったので、英語力がそんなに上達したかというとそうでもないとは思う。それとこのとき気づいたのが、楽器演奏やスポーツなどの分野である程度の技を身に付けておくと、言葉が達者じゃなくても現地で友人を増やし、彼らのコミュニティの中で充分楽しく暮らすことができるということ。実際自分はそうだったし、サムスンという韓国の会社はスポーツで秀でた人材を現地駐在員として送り込み成功している、という話を本で読んだことがある。

そんなこんなで、自分のいまの英語力がどのくらいか? 10年前に受けたTOEICは700点という微妙な点数だった(TOEICの700点というのは、決して良い点数ではない)。ただ、アメリカに住んだのはそのあとなので、いま受けたらもう少し良い点になるような気はする。それと、実際にどのくらい英語が使えているかというと、メールなど、文章でのやりとりには不自由しない。ebayなどでの買い物にも不自由を感じることはない。アメリカの会社と代理店契約を結ぶための一連のこと(交渉から契約書まで)をひとりでやったこともある。これは上記の楽器メーカーでの海外営業経験が役に立っている。話すほうについては、自分が好きなジャンルについては不自由はない。音楽とか。ただ、得意じゃないジャンルについてはスムーズさがだいぶ、落ちる。ぎりぎりなんとか、という感じ。聞くほうはアメリカに住んでからわりとだいじょぶになってきたかな。ただ、基礎的なボキャブラリーがまだまだ全然足りないと感じる。そこは完全に努力不足。

で、いまはどんな学習方法をとっているかというと、毎日NPRを聴いている。なぜかというと、赤ちゃんは最初はもちろん言葉を話すことも理解することもできないんだけど、まわりの人が話す言葉をひたすら聴き続け、そのうち内容を理解し、ついには自分も話すようになる。なので自分も赤ちゃんにならってひたすら聴くようにしている。NPRは、ニュースはもちろん、いろんなジャンルのいろんな人のインタビュー、あとは変わった音楽が聴ける、クオリティが高い放送局。アメリカのワシントンから放送しているらしい。沖縄だと毎朝毎晩、米軍のAMラジオでNPRが流れてるんだけど、インターネットならいつでも聴ける。聴き方は以下。NPRのスマートフォンサイトでも同じようにして聴ける。

npr

まぁとりあえず全世界の4分の1の人は英語を理解するらしいので、道具として英語を身に付けることは、確実に人生の可能性を広げることに繋がると思います。(世界の人口は2011年に70億人を超えたとのこと。対する日本の人口は1億2千万人。)

というか日本人って英語を特別視しすぎ。英語くらい使えてあたりまえ、という感覚にならないとこの状況は変わらないと思う。。

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