いまから31年前の1994年にフォーライフレコードからデビューした沖縄出身の女性シンガーがいた。
沖縄県北部・今帰仁村出身のSINON(紫音 / シノン)。
手元に彼女のデビューCD、そして1998年に発売したと思われるCDシングルがある。




この2枚とも見本品だが、なぜ見本品かというと、当時自分がSINONのバックバンド=ライブサポートをやっていたため、関係者からいただいたものだと思われる。
1994年の沖縄というと、NHKのちゅらさん(2001年〜)はまだ放送されておらず、爆発的な沖縄ブームも起きていなかった時代。
そんな頃に沖縄の二十歳の女の子がメジャーデビュー、しかもフォーライフレコードからというのは、いま考えても相当すごいことだ。
当時、自分は「パーフェクトワールド」というバンド(※)でインディーズデビューして活動していたのだけど、SINONが沖縄県内でライブする際は、パーフェクトワールドがバックバンドを務めていた。
※「Stay with me」という曲で大ヒットしたバンド、アイランドのギターTommy、キーボード新川雅啓、ドラム當間嗣篤がアイランドを脱退し、そこに自分がベースで参加して新しく作られたバンド。
シノンとはあちこちでライブしたけど、どこで演奏したかあまりよく覚えていない。
ピースフルラブロックフェスティバルとか、沖縄大学の学園祭、名護市民会館、あと、関西までみんなで行ってテレビ局の音楽イベントに出たのはおぼろげながら記憶にある。
ただ、あの頃はまだスマートフォンもなく、ケータイで写真を撮るという文化もなかった時代なので、記録がいっさい残っていない。
もしかしたらピースフルラブロックフェスティバルに出たときの映像がテレビ局のどこかに眠っているかもしれないけど、見たことはない。
そのあたりはすごく残念。
ちなみにあの当時、石嶺聡子さんもメジャーデビューしたばかりだったと思う。
石嶺聡子さんとシノンは歌のタイプが全然違って、シノンはもう少しロック寄り、かつナチュラルな声質が特徴的で良かった。
実はシノンは学生時代、生徒会長をやっていたと話していた。
だからか、若いながらかなりしっかりしたパーソナリティだったように思う。
話を戻してこのデビューアルバム、非常に良くできている。
ナチュラルさとロックっぽさが絶妙のバランスで同居したサウンド。
ミュージシャンもすごくて、ドラムは小田原豊さん(元レベッカ)、ベースは有賀さん、ギターは佐橋さんという、当時の日本を代表する若手スタジオミュージシャンが勢揃いしていた。彼らによる、生っぽくて骨太の素晴らしい演奏が楽しめる。
曲も良い曲が多いのだけど、特に素晴らしいのは「海の匂いがする」。この曲は本当に良い。鈴木祥子さんの作品。
YouTubeで見つけたので貼り付けたが、このアルバムというかシノンの曲は、SpotifyやApple Musicなどのサブスクリプションサービスではいっさい聴けない。
なのでこのCDは大事にしないと。
シノンはその後、Sprayという3人のユニットで再デビューしたが、その頃から彼女とは一度も会っていない。
沖縄にいるのだろうか。
いまどこにいるとしても、あの当時のように元気で自分らしく暮らしていてほしい。